マカのすべて

マカの原産国やその栽培に適した地域とは

約2,000年前から栽培されていたことが記録に残っているほど、古い歴史を持つマカは、南米ペルーのアンデス山脈の高地で育つアブラナ科の植物です。
過酷な自然環境に耐えながら成長するマカは栄養価に富み、摂取することで健康の増進や美容にも幅広い効果が期待できます。
この記事では、そうした特性を持つマカが採れる原産国や、栽培にもっとも適した土地などについてご紹介します。

マカの原産国はどこ?

冒頭で触れたように、マカの原産国は南米ペルーで、アンデス山脈が連なる標高4,000m以上の山岳地帯で育ちます。
マカは高地で生活する現地の人たちには、日常で用いる根菜類の一つとして親しまれ、栄養価の高い貴重な食材として扱われてもいます。
マカが育つ環境は酸素が薄く、強い風や紫外線にさらされ、昼夜の温度差が30℃にもなる天候が非常に不安定な地域です。
厳しい自然環境に耐えられる力を持つからこそ、マカはしっかりと大地に張った根から栄養を吸収して自身に蓄えていきます。
そのため、マカを栽培する地域では収穫後の土が痩せきってしまい、次の栽培まで数年間は寝かせる必要があるほどなのです。

マカの起源について

日本の最高峰である富士山の標高は3,776mで、その山頂よりも高い場所で育つマカは、もともとはチベット北東部の海抜3,205mの高地にある、中国最大の湖である青海湖の周辺地域に自生していた植物と伝えられています。
約2,000年前に青海湖周辺の高地で暮らしていたチベット族の一部が、ペルーへの移住の際に運ぶ荷物に加えていたマカを現地に持ち込んだとされ、後述するフニン地域で栽培を始めたと考えられています。

マカの栽培の最適地フニン

マカの原産国のペルーの中でも、標高4,000~5,000mを超える高地にあるフニン県のボンボン高原という盆地が、その栽培にもっとも適しているとされています。
同地域で採れるマカは、ペルー政府によって最高級と認められている品質を誇り、数あるマカの産地における諸条件をクリアした土地にのみ許される「原産地呼称」を取得しています。
ペルーには世界の気候の約8割に相当する、350もの種類が存在するといわれるほど、多岐にわたる自然環境があります。
そのため、ペルーの全域がマカの栽培に適した地域とはいえず、国が“特別”と認めたフニン地域などごく限定された場所でのみ、最高品質のマカが育つのです。

ペルー政府によって原産地呼称が認められているフニンは、雨季と乾季がある気候で、昼夜の寒暖差が30℃にもなり、日中は強烈な太陽光と強風にさらされる一方、夜には霜が降りるほどの低温になるという自然環境が特徴です。
また、酸素が薄くて強烈な紫外線が降り注ぐ、苛烈ともいえる環境のために害虫の発生が少なくマカの有機栽培に適しているのが、高品質としてみなされる理由といえます。
標高の低い土地では、過酷な気象条件のフニンとは異なり、穏やかな気候である場合が多く、マカを栽培する環境もまったく違うため、原産地呼称の地域で育ったものと同じ品質になり得ないのです。
そのため、フニンで採れるマカの値も最高になるといい、世界でも高値で取引されるほどの価値が認められているのです。

原産国で採れるマカの特徴について

原産国で採れるマカは、化学合成された農薬を使用しない有機栽培で育った有機マカであるのが特徴です。
採取されたマカは乾燥・保存・加工という過程を経ますが、乾燥方法にはビニールハウスでの乾燥と天日干しとの2つがあり、有機栽培で育てられたマカは多くの場合、後者を採用しています。
3ヶ月にも及ぶ天日干しでは、時間だけでなく、均一に日光に当てるため日に何度も裏返すなどの手間もかかるものの、より多くの水分を飛ばせるために栄養価も高いとされています。
一方、ビニールハウスでの乾燥は短時間で済むとはいえ、天日干しよりも水分が残ってしまい栄養価も劣るといいます。
注意したいのは、有機マカのすべてがフニンで天日干しされたものとは限らない点です。
マカに含まれる成分の量を左右する乾燥方法などの情報は、マカの販売をおこなっている企業のホームページなどに記載されていることが多いので、購入する際に確認しておくのをおすすめします。

マカの品質面における注意点

高品質なマカを購入したい場合には、ペルー産の中でもフニン産を選ぶのが安心といえますが、まったく問題がないとはいえません。
長い間マカの栽培をつづけてきたペルーの農家では、成長促進剤などの農薬や化学肥料を使わないのが当然である、という不文律があります。
しかし、2014年に起きたマカブームに乗って栽培を始めた、もともとはジャガイモの生産農家の中には、その栽培に用いる化学肥料をマカにも使っている場合があるといいます。
こうしたマカには品質面で問題が起こる可能性が指摘されているため、現在ではマカを供給する農家の選定が重要視されているのです。
前述した乾燥方法の確認などと同様に、生産者の確認も怠らないことが推奨されています。

引用元
輸入されたマカは安全?
https://www.inflateus.com/import.html
マカはペルー産まれ
https://www.gogomagazine.com/peru.html